[報告02] Sonic Plateまつり

[報告02]

日時:1999年6月7日 23:00時開幕

イベント名称:Sonic Plateまつり

場所:蜂 青山

以上のイベントについて報告いたします

 

  • Sonic Plateまつり as compiled tracks-

 

○intro/はじめに:今回公開するものは、ある意味非常にラフなものになってしまいました。

私的な情報などはメインの感想に交えるつもりでなかったんですが、HP製作スキルの都合上、統合しました。

いささか見にくいものになっているかと思いますが、見出しを見ていただいて、お好みのレポートを…

今回は月曜日、ということもあり、出席できずに悔しい思いをされた方も多くいることでしょう。

また、開催が月曜日であっても、次の日以降に支障をきたしても、この祭りに参加した人もいることでしょう。

それらすべての人に、このレポートを読んで欲しいと思います。では、始めます。

 

○list/構造:

「蜂」は三階+屋外構造になっており、当夜は以下のような構成になっていた。

屋外:夕涼みスペース 夜の空とまちのあかり

(タケ氏いわく、このスペースも重要なものとして考えていたそうです)

1階:ラウンジ お酒とお食事と音楽

テープセレクト:タケ・ロドリゲス リビングストンJr.ドライマティーニ楽団

2階:セカンドフロア リスニングよりの選曲 

DJ:岸野雄一氏 常盤響氏 加藤賢崇氏 等々

3階:ファーストフロア ライブ&DJ 踊りたい方こちらへ

ライブ:ククナッケ ウッドマン ディスコ・ロマンサー ブラストヘッド MC ET & the Starship Kru

DJ:宇川直宏氏 L?K?O中原昌也氏 DJマシュマロマン氏 等々

また、レポート順序は自分の記憶にある順番であり、実際の順序とは多少異なる場合もありますが、ご容赦願います

 

●track00/開幕直前:どうにか迷いながらも「蜂」到着。フライヤーなしだと結構わかりにくい。「蜂」前で開幕を待っていると、いきなり二人組みから声をかけられる。これが日本グラインドコア界の重鎮(?)、イハラ氏(=りょっちゃん)とノイズ音響界の超新星、プッシー君からなるテクノイズ・トランスユニット"UBER"の二人であった。とくにプッシー君はオウテカ、セイバーズなどがお好みとあって、われわれはWARP系の話などで非常に意気投合。19歳にしてサム・プレコップのTシャツ着ているとはなかなか強い。また、そろそろグラインドコア歴10年だというりょっちゃんは、そっち方面からダブソニック愛好開始、というなかなかの興味深い履歴。しかも現在デザイン関係を志しているとのことで、これは初っ端から良い出会いの一晩である。ここで遅れてゆうか到着。開場の23時まで明治大のビラ蒔きに来たテルテル君など交えつつ、おもしろトーク。期待は盛り上がりつつ、「蜂」に侵入。まずは三階フロアへ。

 訂正:りょっちゃんの師匠がキミドリのKURO-OVI氏であるかのような表現がありましたが、現在交渉中、と言うか話が通っているかどうか、という時点だそうです。従って表現が不適切であった事をお詫びするとともに、ここに訂正します。(6月13日)

○Track01/dj黒導:初っ端のDJはdj黒導のお二人のおねえさま。あー、MUGしゃんが美しい… かけた曲が、どうのこうのより、えー、それしか言えません。すみませんです。ディスコ目のハウスかけてたんですけどね、見とれてましたので良く覚えていないんです。

 

●Interlude 01:セカンドフロアに降り、りょっちゃん、プッシー君と会話。聞けば、6月12日に町田、dub flavorにて初ライブの予定があるそう。しかもいまだに一回も練習をしていない、というその心意気に感動。興味が湧いたお方は、二人のつまみがフル回転する(?)打ち込み一切なしのサウンドをチェックされたし。また、私、ごりんじを交えてCDJバトル「どれだけ仲間内ですら引かせられるか合戦」開催を企画(@吉祥寺)。りょっちゃん=グラインド・コア vs プッシー君=ノイズ音響 vs ごりんじ=バカCDというスタイルになりそう。CDJをいじった事すらない人を一名(ご想像にお任せ)交えたこの企画に興味ある方、ぜひご一報を。

 

◎thanks/お礼:実は、まつりに先だって、タケさんがまつり・スケジュールのHP掲載を喜んでくださって、当日声かけてOKだよというメールをいただきました。というわけで、この時に声をかけさせていただきました。非常に喜んでくださって、「今日は楽しんでいってね!」というお言葉までいただいて。ふー、良く考えたら、すごい光栄なことだったんだなぁ…。本当にありがとうございました。

 

そして、また三階にあがる。

 

○Track02/宇川直宏(DJ):つい先ほどまでやっていたらしいMC ETの盛り上がりの余韻が残っている。その雰囲気の中で宇川氏DJ開始。ハード目のビートで踊らす。ブレイクビーツ、ハウス、ドラムンベースなどが混合したスタイルの中に、フェーダー掻っ切ってノイズをぶち込む。ノイズが瞬間を切り裂いて新たな高まりを表出。ブレイクに1000BPMのビートが入る感じ、とでも表現できようか。ノイズに対抗して体と声が反応する。こういうDJスタイル、アイディアとしてはあったけど、ここまでかっこよくやる人もそうそういないのでは?しかし、なんつうか、音楽っつうのはどこからどこまでを指すのか?などと一瞬頭をよぎる。そういうDJだったです。 That's ON!!!!!!!!!!!!!!!

○Track03/WOODMAN(LIVE):宇川氏のDJに被さるようにしてウッドマン氏登場。QY20(でしたっけ?)をアヤツりだす。サウンドはトライバル・ハードビーツ ウィズアンビエンスといった様相。BPMは50以下~150超までを行き来していく。生み出す鼓動はフロアに広まってそれぞれの脈と重なり合う。もしくは流れる時間を切り、新たな軸に移行させる。思えばここ東京も東亜細亜の一都市。もう少し気温が高ければいいのにね。ウッドマンのサウンドは、恍惚を生み出すものではなく、我々を覚醒させる。目が冴える、という覚醒でなく、体内にみなぎる物を感じる、という覚醒。太古的でもあるが同時に普遍の要素もあろう。濃密な雨林を目の前にして人として立つ音。最高。太古=太鼓=代古?時間を少々延長させつつも、もう少し長く、という思いが本人にもフロアにも…。最後に短くミルプラトーからリリース予定の曲(本人のものではなかった?)をかけ、終了。6月18日に、みるくでククナッケなどとともにライブあるそうです。気になったら是非是非。

 

●Interlude 02:階段でスケジュール表見ていて、振り返るとウッドマン氏と目が合う。おもわず「お疲れ様でーす」。セカンドフロアで今日のドリンクチケット1枚消費。このセカンドフロアがある事でこのイベントはさらに良くなっている。上は踊らせすぎに近いくらい踊らせるし(笑)。ぼけーーーーーーーっとする。はぁ。販売所でCD+テープ購入。売り場にいたウッドマン氏とお話させていただき、グラスサウンドHPにリンクOKのお許しをもらう。ありがとうございました。実は、ウッドマン氏曰く「さっきのライブねぇ、大したことはしてないんだけど、上手く見えるようにしてあるんだ(笑)」。なるほどぉー。

 

○Track04/ブラストヘッド(LIVE&DJ):一休みしてフロアをあがると、ブラストヘッドはすでにフロアを熱くしている。個人的感想を言えば、切れ味鋭いマシン・ブレイクビーツ。これは、エレクトロの持つファニーさを彼らがあえて表現していない、という事を意味。2DJに1MCというスタイルだけどMC、英語うまいかも。ベースはあくまでも低く唸っているが、しかし常に剃刀のような雰囲気を醸し出している。このユニット、これからどう動いていくのだろうか。BPMを早くした(リミックス?)脱線3をかけるなど、フリーなところも見せつける。こんなにシリアスに聞こえる脱線は初めて…これもSonic Plateの一面なのだ。

○Track05/Disco Romancer(LIVE):そして現れた眼鏡の地味そうな男性…このひとがディスコ・ロマンサー!どういう人か、という予想は全く立たなかったんですが、それにしても意外過ぎる風貌。そしてかけるのは、バリバリの80'sディスコサウンドMEGAMIX!!!!!メチャクチャ踊れます。アルバム収録の"デザイアーpt2"なんか、ライブで聴くと全く印象が違う。こんなに踊れる、強いグルーヴを鳴らしているとは思っていなかった。はっきり言って、その実力をナメていたかもしれない。後にタケ氏いわく「今回のベストライブ」(ナスカ・カーBBSを参照)。今度また爆音で聴いてみたいと思わせるライブ振りでありました。

 

(ククナッケ(LIVE):あまりの疲労のため観戦断念… 二階で休息を取る)

 

○track06/岸野雄一(DJ):セカンドフロアに下りると岸野雄一氏が「西鉄ライオンズを返せ」、「積み木崩しサントラ」、「どうーせぇ、おいらぁはぁドサ回りぃー」、などを、スクラッチを交えながら、そしてキマっちゃった目つきで手振り身振りを交えながらスピンしています。これ、いろんな意味でかっこいい。なんというか、音楽そのもの、を好き、という感じがして、そのフォームがどうあれ、その情熱が伝わる。楽しそうなんだもん。なんつうか、カッコつけにクラブとか行くのってダメなんですよ。音楽聴きに行ってる訳じゃない使用法ってダメだと思うんです。そういうものだと思われてるし。そういう風なもののために作られたものも如何なものか。「クラブ系」って如何なものか。「おれDJやってるんだ」なんなんだそれ。でも、岸野さんみたいな人もいるんだよなぁ。まさしく愛情のDJでした。皆さん拍手でした。

 

三階へあがる

 

○Track07/L?K?O(DJ): あぐらをかいて、スピーカーの前で聴いていた。空気が震えて音っつうのは出るわけだ。その空気の震えを体感しながら、いろいろと考察する。ウッドマンライブのときも感じだけれど、ダンス・ミュージックて、実は踊るためだけにあるんじゃなくて、どうしようもなく冴えさせるていう効果もあるわけで、逆にいえばそういう力がある音楽が、本当にいい音楽なのかもしれない。で、L?K?OのDJ。からだがドガドガ動き出したくなる音、というよりも、力強いスローさ、というか、ぐぅっっと体にILLな力が入る感覚か。こういうのが、DOPEと言う?のでしょうかね。ともかく、独特の世界をDJで作り出す、というプロ・ターンテーブリストぶりを発揮。FADERでもQ-BERTとかと対談してる、日本の誇る才人。途中に一瞬「くたばっちまえ、アーメン」とか入るんだけど、なんていうか、色物としてじゃなくて、独自の世界を構成する一要因なんだなぁ。日本語ラップもかけていて、曲名はわからずともその姿勢には感じ入る。恥ずかしいけど、聴いてるうちに、なんかちょっとウルウルしてしまった。なんだかわかんないけど。ともかく聞き入らせてもらった。

 

セカンドフロアに戻る

 

○Track08/???(DJ):私はこの人を全く知らなかった。名前もわからない。で、Whiteなんだけど…。この人がかけたのは韓国の歌謡曲など、ゆるーいモノ。L?K?Oの深く強いビートの後にカクテルちびちびしながら聞くと、しかし新鮮で、体を揺らす事が心地いい。もうガタガタ言いませんけど、でも音楽はこういう音楽もあるわけです。それをDJをこれだけの数、揃えるという形でタケ氏は音楽の持つ幅、深み、みたいなものをもしかすると表そうとしたのかもしれない。これは完全な憶測ですけど。ていうか、そういう幅や深みのあるものが、自然体のまま生み出されている可能性のあるところが、タケ氏をはじめ、このあたりの人脈のすごいところなのかもしれないなぁ。

 

最後に、また三階のメインフロアへ

 

○Track09/DJマシュマロマン(DJ):…って永田一直氏じゃないですか(笑) 新名義、DJマシュマロマンは、最初中原昌也氏(中原氏のDJは全く脈絡もなく曲をぶった切る、という凄まじいものであったらしい)のMC?つうか叫び声入りでスタート。しかし中原氏、すぐ帰ります。マシュマロマンの選曲的にはエレクトロものが多数。ヘア・スタイリスティックス(衝撃のUFOのREMIX)やFE(VHS Commnunication)の曲も織り交ぜながら、電子ビートで早朝のフロアをロックしてます。いいかげん人は少なくなってきてましたが、そこは永田氏お得意のサービス精神を発揮。5日のツールドトランソニックでアンセムとなった感があるスカイハイ、トマトイッパツ(当日のライブレポート参照)など連発!し、5日も行った人はもちろん、今回が永田氏を見るのは初めて、というような人たちまで気持ち良く踊らせてくれます。スカイハイ(しかもオリジナルVerのBPM早めですよね)でグラインドコア野郎が踊ってるなんて、なんてすばらしいイベントなんだ!また、オリジナルのウルトラクイズのテーマなどは、原曲がこんなにかっこいいとは全く知りませんでした。初めて聴いた「ダニアース」はCD音飛びまくりで困ってしまいましたけれども。しかし本人もまたもや正拳突きを披露するなど、おとといあれだけの事をしておきながら…、という、全然人のこと言えない感想を持たせてくれ、やはりこの人エンタティナーだわ。

そして、ラストにタケ氏が現れ、フロアの皆さんに挨拶。永田氏への拍手と「トランソニックもよろしく」、を忘れないです。そしてマシュマロマンがかけるのは、金曜ロードショーのテーマ…見れば窓の外はすでに夏の朝。静かにフロアにも光が満ちていきます。こうして後の世に語り継がれるであろう(ほんとにそう思う!)イベント、Sonic Plateまつりはその幕を閉じたのです。

 

○outro/最後に:如何だったでしょうか。今回のSonic Plateまつりレポート。この前の吉祥寺のレポートも長くなりましたが、今回はそれ以上になりました(笑)。しかも今回は曲名あまり挙げられず、観念的な事を多く書いております。しかし、自分なりに当日の雰囲気を再現しようとしたものです。これを読んだSonic Plateファンが、さらにこのレーベルを愛する事を深めてくれれば、そしてこれを読んだSonic Plateを知らない方の何人かが、この非常に面白いレーベルに注目してくれれば、この文章を作成した甲斐があるっていうもんです。世界のすべての新譜をチェックする事は出来ませんが、Sonic Plateは、これからも(ワールドワイドな)世界の動向を見据えつつ進み、もしくはその動向にこだわらないで進んでいくことでしょう。あなたが下手な海外レーベルを追っかけるなら、Sonic Plateを、ちょっと手にとって見る、これがいいと思います。という良くわからない宣伝文句もつけてしまいましたが、今回は、本当に楽しいイベントでした。思えば出演したすべての人々が、非常に音と真摯に向かい合っていたような…んー、Sonic Plate、だけじゃなく、日本のオウン・グラウンド(自分で作った造語です)シーン、これからも推させていただきます!!!

出席の皆さん、お疲れ様でした!ほんっとに楽しい時間を共有できてよかったです。

ライブとDjのみなさん、どうもありがとう。最高のイベントでした。

最後に、タケさん、これからの日本のオウン・グラウンド シーンを間違いなく代表するレーベルSonic Plateを立ち上げてくれた事、そして、その幅広い人脈をこういう形でリスナー達にも共有する機会を与えてくれた事に、最大級の感謝&リスペクトを送ります。

 

以上です …疲れた(笑)